被害者A
作品2 中川×先輩
―――――あなたを犯したい――――― いつからそんなこと思うようになったんだろう。いつからあなたの肉体に欲情するようになったんだろう。僕の中にある雄の部分などあなたの野生の足元に及びもしないのに。すべてに君臨するあなたを引き裂く爪ももたない僕があなたを喰らいたいなど自分ですら可笑しく思える。 憧憬に近いのか、溢れる情熱を振りかざし僕を傷つけるあなたへの。それとも僕の持たないものだけを持っているあなたへの嫉妬か。 犯したい野蛮に勃起するペニス。噛みしめる唇あなたの名前。 犯したいその汗ばむ首筋に食らいつき逞しい四肢を抱き込んで。 ただ一度の陵辱を赦してはくれまいか。はっきりとその身に僕を刻んで肉を血を精液を奪い声を聞くことを赦してはくれないだろうか。 あなたが眩く生を愉しむなら僕はあなたを愉しんでそばにいることを選ぼう。 あなたがいつか潰える日がくるならば僕の腕の中でぼくの指で息絶えてほしい。それは果てない願いかそれとも哀れな夢か。 あなたを犯したい骨も腑も誰にも渡さずなかに僕を入れて。 その欲望を誰が知る。 |
以上、犯罪直前の中川(笑)。